【審判をもっと知ろう】PK時の審判団の役割は?

目まぐるしく流れが変わる現代サッカーの中で、大きな得点チャンスの一つがPK(ペナルティ・キック)だ。

ペナルティエリア内で、直接フリーキックに該当する反則を守備側が犯した場合に攻撃側のPKとなる。ボールとゴールまでの距離がわずか約11mと短い。この11mという距離は、決めて当然と言われるが故に、キッカーとゴールキーパーが1対1で対峙する場面では非常に緊張感があり、多くのドラマも生まれた。

プレイヤーのみならず、審判も同じく緊張感を感じている中で、どのような役割を果たしてるのか見てみよう。

PK時の主審の役割

PK 時に主審は、大きく分けて以下の事柄について注意しなければならない。

  • キッカーの特定
  • ボールの位置
  • キッカーとゴールキーパー以外の管理

まずは、攻撃側のキッカーの特定が必要になる。過去Jリーグでは、ゴールキーパーを惑わす作戦としてボールをセットした選手と異なる選手がキッカーを務めて話題になった。当時は得点を認められたが、現在では守備側の間接フリーキックが与えられ、ボールをセットせずにキッカーのみを務めた選手には警告が出される。

PK時のボールの位置は、ゴールラインから直線で結ばれた12ヤード(約11m)のペナルティマークと決まっている。ペナルティマークの中心にきちんとボールが置かれているかをしっかり確認する。

最後に、キッカーとゴールキーパー以外の選手の立ち位置をチェックする。PK時は、キッカーがボールに触れた瞬間から試合再開となるので、それまで他の選手たちはボールから10ヤード(約9.15m)離れてなければいけない。仮にボールが蹴られる前に、他の選手たちがペナルティエリアに侵入したら、場合によってはやり直しになったり、守備側ボールの間接フリーキックで試合が再開など然るべき処置が行われます。主審はボールが蹴られる直前まで他の選手たちを注意深く見なければならない。

 

PK時の副審の役割

次に副審の役割を見てみよう。

試合時に行われるPK時のゴール側の副審は、ゴールラインとペナルティエリアの交わる所にポジションを取る。この時に副審は、2つのことを注意しなければならない。

1つは、ゴールキーパーのポジション。競技規則によると、「ゴールキーパーは、ボールが蹴られるまで、キッカーに面して、両ゴールポストの間のゴールライン上にいなければならない。」とある。キッカーがボールに触れる前にゴールライン上から離れると反則となる。その際にゴールが決まればそのままゴールだが、仮に止めたとしてもPKのやり直しとなる。

2つ目は、ボールがゴールラインを完全に割ったかどうかだ。ボールがネットに突き刺さされば明らかにゴールとわかるが、そうでない時も多い。サッカーの規則上、ボールの球体が完全にゴールラインを超えなければゴールとはならないので、真横から見てラインを完全に超えてるかどうかを確認するのが、最も重要な副審の役割となる。

 

審判団が注意すべき点

PKには細かいルールがある。キッカーとゴールキーパー以外の選手も反則をする可能性がある。誰がどんな反則を犯すかによって再開方法が異なってくる。以下の要約を参考にしよう。

攻撃側が反則を犯したらゴールが決まっても得点は認められず、守備側が反則を犯したら得点は認められる。反則を犯した際に、自分達にとって有益な結果は得られないという事だ。

90分で決着が付かないトーナメント大会でのPK戦では、また少し審判の役割が変わる。

PK戦時は、キッカーとキーパー以外の両チームの選手達は、センターサークルで待機する。そして、自分がキッカーを務める時にPKスポットに向かう。ゴールキーパーは、ゴールラインとペナルティエリアが交わるところ(試合の流れの中でのPK時に副審が立つ場所)で交互に待機する。

副審の1人がセンターサークル内にいる選手達をコントロールして、もう1人の副審はボールがゴールラインを割るかどうかを確認する。従来の位置はゴールキーパーの待機場所になっているので、よりゴールに近いゴールラインとゴールエリアの交わるところに位置します。

PKは絶好の得点シーンなので、攻撃側は必ず得点を決めたいと思い、守備側はなんとしてでも守りたいと、少しでも利益を得ようと必死になります。

の緊迫したシーンで興奮気味の選手たちをコントロールできるのは審判団しかいない。ルールや起こりやすい反則を熟知しておくことが求められる。細かいルールがあるが、審判団に自信がなかったりパニックになると、選手達は落ち着いてプレーができなくなる。自信を持って毅然とした姿勢でPKをコントローすることが重要だ。